加藤徹さんとのんびりお喋りしていた時にできた大道詰将棋で、「おもちゃ箱」にて出題していただいた。
http://www.ne.jp/asahi/tetsu/toybox/dokidoki/d086.htm本問は「香歩問題」と呼ばれる類型に属する。87馬と78飛の配置が目に付くところか。ともあれ、この類型の頻出手順を考えてみよう。
まず、初手から83桂不成、81玉、82歩、92玉、94香は、9筋に玉方の歩が無いから93歩合で望み薄だろう。
63桂不成、81玉、84香は、攻方の歩の枚数が1枚だから83歩合で足りなさそう。
ならば72歩、81玉、85香、84桂合、同香、83金合のはず……と、二段中合の順を進める。馬も働きだして本筋のようだが、これまた「お兄さん、惜しかったね」。どこで間違ったのだろう?
香歩問題には上記3つの有力手以外が正解という図も稀にあるが、本図の初手61銀成は珍しいと思う。さらに、6手進めて再び香歩問題の形に戻してから、ここで改めて72歩の筋に入るところがポイントだ。
単に初手72歩とどこが違うのかというと、25手目64馬の時に73合が利かない。つまり、最初の6手は伏線手だった、というわけ。
初手72歩という従来の手段が誘い手としてきれいに残ったし、正解手順に入っても4手目52飛合を確認しなければならなかったり、52金合を盤上に出現させたため18手目63合(角/桂/歩)の変化も新たに生じ、誘い手より若干読みづらい。
狙いの明確さと相まって、解図に挑戦された人とのコミュニケーションは巧くできたかなと思う。